求めている未来、落胆の現実、ささやかな生活



カテゴリ:内面( 12 )


残された白猫

最寄り駅で下車して家まで歩く途中、物陰に生まれて間もない子猫がいた。昨年夏のことだ。親は見あたらず、その場所は’ネコに餌をやらないでください・・・’の看板があるほどの捨て猫ポイントなので、この子たちも捨てられたと見て間違いない。白い子猫七、八匹がミャーミャーいっていて、人だかりができ、ちょっとした人気者となっていた。
日が経つにつれて、一匹また一匹と数が減っていったのは、おそらくやさしい人が連れて行ったからだと思うが、死んでしまった子もいたかもしれない。
とにかく、冬が訪れたときには三匹になっていた。
三匹の子猫は夜になると捨てられた場所に戻ってきて、ピタリ身を寄せ合い寒さに耐えていた。
隣が薬局で、時たま店員が内緒で餌を上げているらしい。それで生き延びている。

そして1月下旬、子猫は一匹だけが残された。
この子だけが、残される運命なのか?
いや、決して人には近づかないから、この子が一人ここに残ることを選んだのだろう。
自由はかけがえの無いものだけど、自由が多いほど苦しみも多い。寒さはことのほか堪える。
君の選択がとても辛いことを僕はよく知っている。

今夜はとりわけ寒い。
白猫は側溝で風を避けながら、いつ来るか知れない餌を待っていた。
c0014035_20141654.jpg

もし、、もしもだけど、一人でいることがどうしても辛くなったら、僕の家においで。
そうしたら、、僕も、、、うれしい。
by solitarylife | 2005-02-01 20:17 | 内面

雨の街(前編)

空が曇り始めたときは、いつも気がつかない。
夕立を降らすような黒々とした雲であればすぐに気がつくことができるが、はじめは白い雲がうっすらと空の一部を覆っていく。
今回も、曇りはじめて数日が経ってから、やっと僕は「おや、、雲がでてきたんだな」と気づいた。
そのときには、もう青空はわずかに覗くばかりになっていて、雲はやや厚く色は灰みがかっている。
ほとんどの場合は、このまま天気が崩れていくし、大抵は大荒れになることを僕は経験的に知っているので、それに備えた準備を始めることになる。
まず何よりも先に、僕の家には頑丈な地下室があるので、大切な物はそこにしまって大きな南京錠をかける。これは僕にとって最も大事なことだ。当分、身の回りは味気ないものばかりになってしまうけれど、大切な物を失うよりはいい。何せ僕の住んでいる街は、天候の変化が激しく厳しい。
窓から外を見ると、すでに空一面が黒々とした雲に覆われているが、まだ雨は降っていない。一度降り出したらすぐに止むことはまずない。でも車も通れないような大きな水たまりができたり、川の氾濫が起こったりするようになるまでには、まだしばらくあるはずだ。
前の通りには、荷物を持って足早に通り過ぎる人たちが見える。家を捨てて避難するのだろう、皆うつむいている。「そんなに慌てなくてもまだ大丈夫ですよ」と声をかけてみるのだが、返事はない。大きな鞄を肩にかけ、キャリーケースを引きずり、家族を連れて足早に去っていく。鞄の中身は現金や貴金属類、衣類などだろうか?

そしてその夜、雨は静かに降りはじめた。

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後編に続く
この話はフィクションだけど、僕にとってはノンフィクションである。よって奇想天外な落ちはない。
by solitarylife | 2005-01-16 21:19 | 内面

機嫌がいいとイベント日記か趣味考察、落ち込んでいるときは内面の葛藤を書くと思う
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