激動の3月が過ぎた。
この一カ月は、労働組合役員としての春闘が一番の重荷だった。
数日前にやっと収束し、最終的に久しぶりの賃金アップとなって、この件については最低限の役目は果たせた。
外は春。
今日はぽかぽか陽気で、お花見に行った人が多いのだろう。
エイプリルフールで、考え抜いた嘘を披露している人も多い?
僕は、まだ、3月にやり残したことを整頓中で、春を感じる生活はもう少し先になりそう。
実は春を感じられない理由は忙しかったこと以外にもうひとつ理由がある。
大学生時代の友人が死んだのだ。
自殺で。
会社に出かけたまま行方不明となり捜索願いが出された。
発見されたのは、二日後、場所は・・・会社だ。
後には妻と子供が残された。
かわいい盛り、
三歳の娘を残し、彼はなぜ
会社で自らの命を絶たねばならなかったのか?
その問いに、会社の関係者は謝るばかり、何も出てこない。
遺書さえない。
ありえない死のシチュエーション。
集まった仲間は多くが顔見知りの旧来の友人で、皆、なぜ一言相談をしてくれなかったのかと無念を語る。
その間も、女の子はわけもわからず元気に走り回る。
小さな笑顔を見るたび、涙が落ちた。
写真:宇多良炭坑跡(西表島)
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